2023年度 第1回ボランティア勉強会 ご報告
2023年度第1回ボランティア勉強会を4月23日(日)東大阪市文化創造館での対面勉強会として、そして5月2日(火)はZOOMでのオンライン勉強会として実施しました。対面形式での勉強会は実に2年半ぶりの開催となり34名の参加を頂き、オンラインでも25名の参加がありました。
今回のテーマは「子どもの日本語支援を考える」です。 講師は、日本語教育チームのメンバーであり、日本語教育機関で教鞭をとられ、また、子どもの日本語支援にも実際関わっておられる樋口尊子さんが務めました。最近、HONKでも小学生、中学生が学習者として教室に来る姿が見られるようになりました。「子どもの日本語習得をどのように考える?大切なことは?」「HONKでの子ども支援をどのように考えるか。」という問いかけから始まった勉強会は、ボランティアの私たちが最低限知っておく必要があることについてグループワークや発言を入れながら進められました。



まず、日本語を学ぶ子どもたちには、親と一緒に日本に来た、いわゆる渡日してきた子ども、帰国してきた子ども、日本で生まれ日本で育ったが保護者が日本語母語話者でない子どもなど多様性があり、そして環境によって子どもの日本語習得は変わると考えられていることを述べられました。
特に重要な環境とされる「家庭」では、「外国語のみ」、「外国語と日本語」、そして 「十分でない日本語のみ」という言語環境に子どもは置かれると考えられるが、大切なことは 親子間で伝え合うことが出来る母語や言語の存在であると言うことでした。「日本語で話す」ということにとらわれ過ぎるのでなく、親子間でのコミュニケーションが保てる言語の存在が必要であり、第一言語の発達は認知的発達に影響を及ぼし、第二言語となる日本語の習得にも大きく影響を与えるということでした。
また、これらの家庭環境にいる子どもたちは、当初は日本語だけを話す子どもと比べて日本語の力は弱いが、園や学校に通うことにより日本語を獲得していく、外部との繋がりが習得に大きく影響することを話されました。
そして、子どもの支援をする時に把握しておきたいポイントとして
①日本に来た時の年齢・滞在期間
②子どもが使用する言語
➂現在の年齢、(発達段階)
④日本に来るまでの教科学習経験(母語で理解していること)
⑤現在の子どもの学力。
⑥現在の子どもの環境(家庭での言語環境・学校でのサポート)
をあげられました。
次に、①年齢が違うが、渡日後の期間は同じ子ども、②同年齢の渡日時期が異なる子どもなど具体的な事例をあげて、それぞれどんなサポートが必要かなどについて考えました。
そして、子どものことばの学習で気をつけたいこととして以下の3つを述べられました。
① 子どもの年齢・発達段階(認知的発達段階)に合わせる。
② 子どもの母語の力を考慮する。
③ 子どもが必要な内容にする。(子どもが必要となる場面で使えることば、
表現。)
続いて「わたしたちにできることは?」「HONKとしてできることについて10分間ほどグループワークをしました。



皆さんの意見には「持って来る宿題を見ている」「子どもたちの好きなこと、得意なことを中心に飽きさせないようにしている」など出ましたが、共通していた意見として「楽しく、続けて来られる場所」でありたいということでした。
最後に樋口さんからは「HONKの強みを活かして、わたしたちができることは?」として
① 生活の情報提供
② 言葉と知識を増やすサポート
例:日本の習慣や行事紹介、地名、社会的事情、
同年齢の子どもにとって「当たり前」を知る。
➂ 子どもの異なる文化や価値観を聞き認める。頑張りを認める。
子どもが安心して質問できる。さまざまな人と出会う。
を あげられ、話を締めくくられました
終了後のアンケートでは、「HONKで積極的に子どもの支援をするべき」という意見を多く頂き、その理由に、「多文化共生の社会として必要事項である」
「外国人の増加に伴いその子どもも増加していく。」「現状では、子どもたちの日本語獲得を保証できる場が他にないと思うので。」などがありました。その一方で必要でないという意見に共通していたことは「教育機関(行政)が力を入れてほしい。」「HONKと学校側との連携が必要」など、連携の必要性が聞かれました。
対面とオンラインの2度開催と言う初めての試み、どちらも多くの方の参加を頂きました。「子どもの日本語支援」に多くの方が関心を持っていることの表れではないかと思われます。今後、「日本語支援が必要な子どもたち」の増加も考えられるならば、この課題は継続して取り組んでいくべきものではないでしょうか。
今回のテーマは「子どもの日本語支援を考える」です。 講師は、日本語教育チームのメンバーであり、日本語教育機関で教鞭をとられ、また、子どもの日本語支援にも実際関わっておられる樋口尊子さんが務めました。最近、HONKでも小学生、中学生が学習者として教室に来る姿が見られるようになりました。「子どもの日本語習得をどのように考える?大切なことは?」「HONKでの子ども支援をどのように考えるか。」という問いかけから始まった勉強会は、ボランティアの私たちが最低限知っておく必要があることについてグループワークや発言を入れながら進められました。



まず、日本語を学ぶ子どもたちには、親と一緒に日本に来た、いわゆる渡日してきた子ども、帰国してきた子ども、日本で生まれ日本で育ったが保護者が日本語母語話者でない子どもなど多様性があり、そして環境によって子どもの日本語習得は変わると考えられていることを述べられました。
特に重要な環境とされる「家庭」では、「外国語のみ」、「外国語と日本語」、そして 「十分でない日本語のみ」という言語環境に子どもは置かれると考えられるが、大切なことは 親子間で伝え合うことが出来る母語や言語の存在であると言うことでした。「日本語で話す」ということにとらわれ過ぎるのでなく、親子間でのコミュニケーションが保てる言語の存在が必要であり、第一言語の発達は認知的発達に影響を及ぼし、第二言語となる日本語の習得にも大きく影響を与えるということでした。
また、これらの家庭環境にいる子どもたちは、当初は日本語だけを話す子どもと比べて日本語の力は弱いが、園や学校に通うことにより日本語を獲得していく、外部との繋がりが習得に大きく影響することを話されました。
そして、子どもの支援をする時に把握しておきたいポイントとして
①日本に来た時の年齢・滞在期間
②子どもが使用する言語
➂現在の年齢、(発達段階)
④日本に来るまでの教科学習経験(母語で理解していること)
⑤現在の子どもの学力。
⑥現在の子どもの環境(家庭での言語環境・学校でのサポート)
をあげられました。

次に、①年齢が違うが、渡日後の期間は同じ子ども、②同年齢の渡日時期が異なる子どもなど具体的な事例をあげて、それぞれどんなサポートが必要かなどについて考えました。
そして、子どものことばの学習で気をつけたいこととして以下の3つを述べられました。
① 子どもの年齢・発達段階(認知的発達段階)に合わせる。
② 子どもの母語の力を考慮する。
③ 子どもが必要な内容にする。(子どもが必要となる場面で使えることば、
表現。)
続いて「わたしたちにできることは?」「HONKとしてできることについて10分間ほどグループワークをしました。



皆さんの意見には「持って来る宿題を見ている」「子どもたちの好きなこと、得意なことを中心に飽きさせないようにしている」など出ましたが、共通していた意見として「楽しく、続けて来られる場所」でありたいということでした。
最後に樋口さんからは「HONKの強みを活かして、わたしたちができることは?」として
① 生活の情報提供
② 言葉と知識を増やすサポート
例:日本の習慣や行事紹介、地名、社会的事情、
同年齢の子どもにとって「当たり前」を知る。
➂ 子どもの異なる文化や価値観を聞き認める。頑張りを認める。
子どもが安心して質問できる。さまざまな人と出会う。
を あげられ、話を締めくくられました
終了後のアンケートでは、「HONKで積極的に子どもの支援をするべき」という意見を多く頂き、その理由に、「多文化共生の社会として必要事項である」
「外国人の増加に伴いその子どもも増加していく。」「現状では、子どもたちの日本語獲得を保証できる場が他にないと思うので。」などがありました。その一方で必要でないという意見に共通していたことは「教育機関(行政)が力を入れてほしい。」「HONKと学校側との連携が必要」など、連携の必要性が聞かれました。
対面とオンラインの2度開催と言う初めての試み、どちらも多くの方の参加を頂きました。「子どもの日本語支援」に多くの方が関心を持っていることの表れではないかと思われます。今後、「日本語支援が必要な子どもたち」の増加も考えられるならば、この課題は継続して取り組んでいくべきものではないでしょうか。
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by honk_information
| 2023-05-29 17:53
| 日本語教育チーム