2019年度 第1回ボランティア研修会 ご報告
9月7日(土)、大阪樟蔭女子大学において、2019年度第1回ボランティア研修会をおこないました。今回は「外国にルーツを持つ子どもたちへの支援の現状と課題 -事例をヒントに何ができるか考えよう!-」をテーマに、大阪府下の小学校で、日本語指導が必要な子どもたちに支援をおこなっている日本語指導員の米澤千昌さんを講師にお迎えしました。




まず、日本語指導が必要な児童生徒が増加しているという現状と、その子どもたちは、国籍・言語・文化、来日年齢、来日前の学習状況、家庭環境など多様な背景を持っており、(このような子どもたちのことを、Culturally Linguistically Diverse Chidden、略してCLD児と言います)子どもたちによって必要な支援、支援の方法が異なってくるということを述べられました。
次いで、CLD児が抱える課題についてということで、
*文化や言語の違いなどから、子どもたちはストレスを持つ。子どもたちが安心して自分を出せる居場所を作ることが大切である。そのためには、在籍学級、放課後の日本語教室、地域の日本語教室などが連携をとり、保護者のサポートを含めた寄り添う支援が必要である。
*子どもたちの言語の課題として、子どもたちの日本語の習得には、生活に必要な生活言語と、学習に必要な学習言語の両方を考えなくてはいけない。その違いを知り、指導していくことが必要である。また、認知力の育成や家族との絆、アイデンティティの確立のために、母語や継承語の保持、伸長も重要である。
*現在の支援の現状として、指導者がいない、指導方法が分からないという理由で、支援を受けられずにいる子どもがまだ1万人以上いる。また、支援の多くは、日本語初期指導である。
などのお話をされました。
最後に、子どもたちへの支援の実際、を事例別の支援例を紹介しながら話して頂きました。子どもたちへの日本語支援は成人日本語学習者とは違うことを知り、「日本語で具体的に何かをできるようになる支援」、「年齢相応の発達、成長を育む支援」をすることで、子どもたちに「できた」「わかった」という達成感、成功体験を増やすことが大切。日本語を教えることが目的ではなく、全人的な発達を支える支援が必要と述べられました。国語教育と日本語教育は異なることも述べられ、実際にカンボジアのことばでの模擬授業を少し経験しました。




休憩のあと東大阪市教育委員会の元井氏が、東大阪市の現状を話されました。

その後、グループに分かれ、実際に「私たちができること」をワークショップの形で話し合いました。





10分と言う短い時間でしたが、活発に意見交換がされ、幾つかのグループに発表してもらいました。



その中で「自分もCLD児だった。」という参加者が「親との会話が難しかった、本を読むことで日本語を学んだ」「学校では苦労も多かった、今は教師を目指して大学で学んでいる」といった、自身の経験を話されました。
質疑応答のあと、研修会は終了しました。
今回の研修会ではHONKのボランティア以外に、実際に教育の現場に立っている先生方にも出席頂き、多数の方が参加されました。ボランティア研修会としては初めてのテーマでしたが、これからのHONKの活動の新たな一歩となった研修会でした。





最後にアンケートに書かれていたコメントを紹介します。
・「生活言語」と「学習言語」が違うことを知りました。
・「生活言語」がある程度できても「学習言語」に課題が残り、そこを克服していくべきだと思いました。
・日本に住むなら家でも親は子供に日本語で話しかけるべきだと思っていましたが、 母語継承のためにも家庭での母語使用の大切さを知りました。
・成人への支援と児童への支援が全く違うことが実感でき、大変勉強になりました。
・行政の支援不足だと決めつけていましたが、民間、市民ができることがあるなと学びがありました。
・外国人労働者だけではなく、その方から連なるいろいろな立場の外国人がいらっしゃるし、今後もっと増えていくのでこの研修会は有意義でした。
・HONKでも子どもの日本語教室が早く1教室でもできるといいと思いました。
・CLD児に対してどんな支援が必要かよく理解でき「居場所」を作ってあげることの重要性もよく理解できました。




まず、日本語指導が必要な児童生徒が増加しているという現状と、その子どもたちは、国籍・言語・文化、来日年齢、来日前の学習状況、家庭環境など多様な背景を持っており、(このような子どもたちのことを、Culturally Linguistically Diverse Chidden、略してCLD児と言います)子どもたちによって必要な支援、支援の方法が異なってくるということを述べられました。
次いで、CLD児が抱える課題についてということで、
*文化や言語の違いなどから、子どもたちはストレスを持つ。子どもたちが安心して自分を出せる居場所を作ることが大切である。そのためには、在籍学級、放課後の日本語教室、地域の日本語教室などが連携をとり、保護者のサポートを含めた寄り添う支援が必要である。
*子どもたちの言語の課題として、子どもたちの日本語の習得には、生活に必要な生活言語と、学習に必要な学習言語の両方を考えなくてはいけない。その違いを知り、指導していくことが必要である。また、認知力の育成や家族との絆、アイデンティティの確立のために、母語や継承語の保持、伸長も重要である。
*現在の支援の現状として、指導者がいない、指導方法が分からないという理由で、支援を受けられずにいる子どもがまだ1万人以上いる。また、支援の多くは、日本語初期指導である。
などのお話をされました。

最後に、子どもたちへの支援の実際、を事例別の支援例を紹介しながら話して頂きました。子どもたちへの日本語支援は成人日本語学習者とは違うことを知り、「日本語で具体的に何かをできるようになる支援」、「年齢相応の発達、成長を育む支援」をすることで、子どもたちに「できた」「わかった」という達成感、成功体験を増やすことが大切。日本語を教えることが目的ではなく、全人的な発達を支える支援が必要と述べられました。国語教育と日本語教育は異なることも述べられ、実際にカンボジアのことばでの模擬授業を少し経験しました。




休憩のあと東大阪市教育委員会の元井氏が、東大阪市の現状を話されました。


その後、グループに分かれ、実際に「私たちができること」をワークショップの形で話し合いました。






10分と言う短い時間でしたが、活発に意見交換がされ、幾つかのグループに発表してもらいました。



その中で「自分もCLD児だった。」という参加者が「親との会話が難しかった、本を読むことで日本語を学んだ」「学校では苦労も多かった、今は教師を目指して大学で学んでいる」といった、自身の経験を話されました。

質疑応答のあと、研修会は終了しました。
今回の研修会ではHONKのボランティア以外に、実際に教育の現場に立っている先生方にも出席頂き、多数の方が参加されました。ボランティア研修会としては初めてのテーマでしたが、これからのHONKの活動の新たな一歩となった研修会でした。





最後にアンケートに書かれていたコメントを紹介します。
・「生活言語」と「学習言語」が違うことを知りました。
・「生活言語」がある程度できても「学習言語」に課題が残り、そこを克服していくべきだと思いました。
・日本に住むなら家でも親は子供に日本語で話しかけるべきだと思っていましたが、 母語継承のためにも家庭での母語使用の大切さを知りました。
・成人への支援と児童への支援が全く違うことが実感でき、大変勉強になりました。
・行政の支援不足だと決めつけていましたが、民間、市民ができることがあるなと学びがありました。
・外国人労働者だけではなく、その方から連なるいろいろな立場の外国人がいらっしゃるし、今後もっと増えていくのでこの研修会は有意義でした。
・HONKでも子どもの日本語教室が早く1教室でもできるといいと思いました。
・CLD児に対してどんな支援が必要かよく理解でき「居場所」を作ってあげることの重要性もよく理解できました。
by honk_information
| 2019-09-17 05:42
| 日本語教育チーム